これから作ります。まだ何もできていません
前回、プログラミング未経験の私がAIで献立管理アプリを作った話を書きました。数時間でできて、拍子抜けするほど簡単でした。
そこで思ったわけです。
同じことを、会社の仕事でもできるのではないか。
この記事は、その挑戦を始める前の記録です。完成品の紹介ではありません。何もできていない段階で書いています。
うまくいくかどうか、正直まったく分かりません。その過程を、失敗も含めて全部書いていきます。
何を何とかしたいのか
狙いは、経費の申請書です。
うちの会社では、経費申請をExcelで手作業で作っています。従業員10名ほどの小さな会社なので、専用の経費精算システムは入っていません。
そして、この作業で一番面倒なのが——
数字の転記
です。
領収書やレシートを見て、Excelに数字を打ち込む。ただそれだけの作業ですが、地味に神経を使います。
そして、ここが情けない話なのですが
この作業に月何時間かかっているのか、私は正確に知りません。
3時間くらいでしょうか。もっとかもしれませんし、もっと少ないかもしれません。測ったことがないので、分からないのです。
書いていて気づきましたが、これはかなり大事なことです。
改善の前に、まず測る必要があります
「面倒だ」という感覚だけで改善に取りかかると、あとで効果を語れません。
- 本当に時間がかかっているのか
- ツールを作った結果、どれだけ減ったのか
- そもそも作る価値があるのか
全部、測っていないと分かりません。
しかも、上司に「こういうツールを作りたい」と相談するときも、「面倒なんです」より「月◯時間かかっています」のほうが、圧倒的に通りやすい。
なので、最初にやることは決まりました。
AIに何かを頼む前に、まず1ヶ月、時間を記録します。
本当の負担は「転記」ではないかもしれない
もう1つ、書きながら気づいたことがあります。
「どうなれば解決したと言えるか」を自分に問うと、答えはこれでした。
確認作業がなくなること。
入力そのものより、「間違っていないか確かめる作業」のほうが重いのです。
数字を打ち込むのは、正直そこまで大変ではありません。しんどいのは、
- 打ち間違えていないか、もう一度見返す
- 合計が合わないとき、どこがズレたのか探す
- 提出後に間違いが見つかって、やり直す
この「気を抜けない感じ」が、時間以上に消耗します。
つまり、私が本当に欲しいのは「入力を速くするツール」ではなく、「間違いを心配しなくて済む仕組み」なのかもしれません。
この気づきだけでも、記事を書いた価値がありました。 何を作るべきかが変わってきます。
壁が2つあります
とはいえ、献立アプリのようにはいかないと思っています。理由は2つです。
壁① 自分だけが使うものではない
経費を申請するのは、私だけではありません。他の社員も申請します。
献立アプリは、自分ひとりが使うものでした。使いにくければ自分が我慢すればいいし、直したければ勝手に直せます。
でも、他の人に使ってもらうものは、まったく別物です。
- 説明しなくても使えるか
- 間違った使い方をされたときに壊れないか
- 「前のExcelのほうが良かった」と言われないか
技術的な難しさより、こちらのほうが大変な気がしています。
壁② セキュリティ
そして、これが最大の壁だと思っています。
経費のデータは、会社のお金に関わる情報です。誰がいくら使ったか、何に使ったか。外に漏れていいものではありません。
献立アプリなら、最悪失敗しても「今日の晩ご飯が決まらない」で済みます。でも今回は違います。
正直に言うと、私はここに答えを持っていません。
- どこまでなら自分で判断していいのか
- 会社のデータをどう扱えば安全なのか
- 何を知らないのかすら、分かっていない可能性がある
「分からないことは、分からないと認める」——これは私がIT担当として大事にしている姿勢です。今まさに、その場面だと思っています。
だから、段階を踏みます
一気に作ろうとすると、たぶん事故ります。なので、こう進めるつもりです。
第1段階:測るまず1ヶ月、作業時間を記録する。ここから始めます。
第2段階:自分の作業だけを対象にするいきなり全社で使うものを作らない。まず自分の手元の作業だけを楽にできないか試す。
第3段階:安全性を確認する自分の判断だけで進めず、分からない部分は必ず調べる。必要なら詳しい人に相談する。
第4段階:他の人に使ってもらうここまでクリアできて、初めて全社に広げる。
第2段階で止まる可能性も、十分にあると思っています。 それならそれで、正直に書きます。
この連載で書いていくこと
- 実際にどれだけ時間がかかっていたのか(測定結果)
- AIに何をどう頼んだのか
- どこで詰まったのか
- セキュリティについて、何を調べ、どう判断したのか
- 他の人に使ってもらえたのか
成功談だけを書くつもりはありません。 途中で断念したら、なぜ断念したかを書きます。そのほうが、同じことを考えている人の役に立つはずです。
同じことを考えている方へ
「業務をAIで効率化したい」と考えている非エンジニアの方は、たぶん少なくないと思います。
その方たちに、現時点で言えることがあるとすれば、これです。
作り始める前に、まず「今どれだけかかっているか」を測ってください。
私は測っていませんでした。そして今、それを後悔しています。
改善は、現状を知ることからしか始まりません。技術の話は、そのあとです。
次回は、実際に測ってみた結果を書きます。思っていたより少なくて拍子抜けするか、予想以上に取られていて愕然とするか。どちらにしても、正直に報告します。
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