先に結論を書きます
タイトルに「買うとき」と書きましたが、うちの会社はパソコンを買っていません。
リースです。 そして、これが1つ目のポイントです。
従業員10名ほどの会社で11年ひとりIT担当をしてきて、パソコンの調達で見ているのは、この5つです。
- そもそも買うか、借りるか
- 性能は「2世代前」で足りる
- サポート窓口があるか
- 安さで選ばない
- 返却・処分まで含めて考える
順に書きます。
① そもそも買うか、借りるか
うちはリースを選んでいます。理由は2つです。
買うと、処分が大変です
パソコンは、捨てるのが面倒な物です。
- データを完全に消す必要がある
- 家庭ごみとして出せない
- 引き取り手続きや費用がかかる
- その間、どこかに置いておく場所が要る
10人の会社に、使わないパソコンを置いておく倉庫はありません。
リースなら、期間が終われば初期化して返却するだけです。処分の手間そのものが発生しません。
資産は、増やさないほうがいいと考えています
もう一つが、こちらの理由です。
買えば、それは会社の資産になります。 一見よさそうですが、パソコンは時間が経つほど価値が下がる物です。
そして使えなくなったとき、資産だったものが処分費用に変わります。
- 古くなって業務に耐えられない
- でも簡単には捨てられない
- 保管場所を取る
- 処分にお金がかかる
資産として持っていたものが、後で負担に変わる。 これが嫌でリースにしています。
(私はIT担当になる前に簿記を勉強していたのですが、この感覚は、そこで身についたものだと思います。技術の話ではありませんが、判断には確実に効いています)
なお、リースが常に正解というわけではありません。 会社の規模や方針によって、購入のほうが合う場合もあります。うちの規模と事情では、リースが合っていたという話です。
② 性能は「2世代前」で足りる
これは断言できます。
2世代くらい前の性能でも、業務にはまったく問題ありません。
事務作業、メール、Excel、ブラウザ——この用途なら、最新のCPUは必要ありません。
最新モデルは価格が跳ね上がります。その差額を払う理由が、うちの業務にはありませんでした。
ただし、条件があります
生成AIを本格的に使うなら、話は変わります。
パソコンの中でAIを動かすような使い方をするなら、相応の性能が要ります。
ただ、多くの生成AIはインターネット経由で使うものです。その場合、処理はサーバー側で行われるので、手元のパソコンの性能はほとんど関係ありません。
私も生成AIを日常的に使っていますが、それが理由でパソコンを買い替えたことはありません。
「AIの時代だから高性能なパソコンが必要」とは限らない、というのが実感です。
③ サポート窓口があるか
個人的に、ここが一番重要だと思っています。
ひとりIT担当は、壊れたときに相談できる相手が社内にいません。
- 起動しなくなった
- 画面が映らない
- 修理に出すべきか判断がつかない
こういうとき、電話やメールで聞ける窓口があるかどうかで、対応の速さがまったく違います。
そして重要なのは、業務が止まっている時間はコストだということです。
パソコン1台が2日止まる
= 1人が2日働けない
本体価格の差より、この損失のほうが大きいことがあります。
安い調達先には、たいていサポートがありません。「自分で調べてください」と言われて終わりです。
④ 安さで選ばない(失敗しました)
これは私の失敗談です。
以前、家電量販店で激安のパソコンを買ったことがあります。 価格に惹かれました。
結果は——
すぐにキーボードが壊れました。
修理か買い替えかを判断し、手配し、その間の代替機を用意する。余計な出費と、余計な手間が発生しました。
結局、最初から相応のものを選んだほうが安かったという、よくある話です。
学んだこと
パソコンの費用は、本体価格だけではありません。
| 見えるコスト | 見えないコスト |
|---|---|
| 本体価格 | 壊れたときの対応時間 |
| 業務が止まる損失 | |
| 修理・買い替えの手配 | |
| 代替機の用意 |
安いものを選んで見えないコストが増えたら、意味がありません。
以来、極端に安いものは選ばないようにしています。
⑤ 返却・処分まで含めて考える
最後に、買ったあと・借りたあとの話です。
パソコンには必ず終わりが来ます。そのとき必要になるのが——
- データの完全消去
- 返却または処分の手続き
- 台帳からの削除
この作業を誰がやるのかを、調達の時点で考えておいてください。 ひとりIT担当なら、それは自分です。
うちでは初期化してからリース会社に返却しています。
初期化は必ず自分でやってください。 「返せば向こうで消してくれるだろう」は危険です。会社のデータが入ったまま外に出ることになります。
(余談ですが、私が11年前にIT担当になって最初に頼まれた仕事が、まさにこの作業でした。当時は何も分かりませんでしたが、調べたらできました)
まとめ
10人規模の会社でパソコンを調達するときに見ているのは、この5つです。
- そもそも買うか、借りるか — うちはリース。処分の手間と、後の負担を避けるため
- 性能は2世代前で足りる — 事務作業なら最新は不要。ただしAIの使い方次第
- サポート窓口があるか — ひとり担当には必須。業務が止まる損失のほうが大きい
- 安さで選ばない — 激安品で失敗しました
- 返却・処分まで考える — やるのは自分です
こうして並べてみると、技術的な話がほとんどありません。
CPUの型番より、「壊れたときどうするか」「終わるときどうするか」のほうを長く考えています。
小規模企業のIT担当の仕事は、たぶんそういうものなのだと思います。
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