入社準備は、時間との戦いです
以前、退職者が出たときのIT手続きについて書きました。今回はその逆、人が入ってくるときの話です。
うちは人の出入りがある職場なので、この作業は何度も経験しています。そして毎回感じるのが、これです。
入社準備のほうが、退職対応より難しい。
理由は単純で、締め切りが動かせないからです。退職なら多少ずれても何とかなりますが、入社日は決まっています。 その日に、その人が働ける状態になっていなければいけません。
数字を並べると、問題がはっきりします
うちの場合、こうです。
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 入社の連絡が来るタイミング | 2週間前 |
| リースのパソコンを手配して届くまで | 1〜2週間 |
並べてみてください。バッファがほぼゼロです。
2週間前 入社の連絡が来る
↓ すぐ手配
1〜2週間 パソコンが届く
↓
入社日 ギリギリ間に合う……はず
「はず」です。 何か1つでも遅れれば、間に合いません。
退職より、入社のほうが余裕がない
これは多くの会社に当てはまると思います。
| 連絡のタイミング | 準備期間 | |
|---|---|---|
| 退職 | 1ヶ月前 | 余裕がある |
| 入社 | 2週間前 | ほぼない |
出口には猶予があって、入口にはない。 不思議ですが、そういうものです。
実際に、初日に届きませんでした
そして、起きました。
入社初日に、パソコンが届きませんでした。
新しく来た人は、初日から仕事の道具がない状態になります。本人にとっても、受け入れる側にとっても、気まずい時間が流れます。
技術的な失敗ではありません。単純に、間に合わなかっただけです。
そして、こういうときに一番きついのは、自分ではどうにもできないことです。手配は済んでいる。あとは届くのを待つしかない。それでも「まだですか」と聞かれるのは自分です。
準備するもの(チェックリスト)
うちで用意しているのは、この6つです。
- [ ] パソコン(リース手配)
- [ ] 社内の管理ID(誰の端末かを台帳で管理)
- [ ] メールアドレス
- [ ] 各サービスのアカウント
- [ ] Wi-Fiの設定
- [ ] 席(意外と忘れます)
席は自分の担当ではありませんが、パソコンを置く場所が決まっていないと設置できません。 誰かが決めているはずと思っていると、当日まで決まっていないことがあります。
優先順位をつけてください
全部を同時に進める必要はありません。間に合わなくなるものと、当日でも何とかなるものがあります。
最優先:物理的なもの(当日には作れない)
| 項目 | なぜ最優先か |
|---|---|
| パソコン | 手配して届くまで1〜2週間。当日はどうにもならない |
| 席・電源・LANの口 | 物理的な場所の話。直前だと調整が効かない |
連絡が来たその日に手配してください。 ここだけは、後回しにすると詰みます。
次点:アカウント類(数時間で作れる)
メールアドレス、各サービスのアカウント、Wi-Fiの設定——これらは、最悪その日の朝でも作れます。
もちろん前日までに済ませておくべきですが、万一漏れても取り返しがつきます。
「間に合わないもの」から手をつける。 これが鉄則です。
初日に説明すること(3つ)
パソコンを渡して終わりではありません。最初に伝えることを決めておくと、あとが楽になります。
① パスワードの渡し方
初期パスワードをどう伝えるか、方法を決めておいてください。
大事なのは、本人に必ず変更してもらうことです。こちらが決めたパスワードを使い続けられると、管理上よくありません。
「渡して終わり」ではなく、変更したかどうかまで確認します。
② 使ってはいけないこと
最初に言っておかないと、後から言いにくくなります。
- 会社のパソコンに勝手にソフトを入れない
- 業務のファイルを個人のサービスに置かない
- 不審なメールのリンクを開かない
「そんなの常識」と思わないでください。 人によって常識の範囲は違います。言っていなければ、伝わっていません。
③ 困ったときの連絡先
これが一番大事かもしれません。
「何かあったら誰に言えばいいのか」を最初に伝えておかないと、困ったまま放置されます。 そして問題が大きくなってから発覚します。
「どんな小さなことでも聞いてください」と、最初に言っておいてください。
現実的な対策:予備を1台持っておく
「初日に届かなかった」経験から考えると、対策は1つしかありません。
すぐ使える予備機を1台、確保しておく。
理想論ではあります。10人の会社で1台遊ばせておくのは、コスト的に簡単ではありません。
ただ、返却前の入れ替え時期など、一時的に手元に余る瞬間はあります。そのタイミングをうまく使えば、完全な遊休にはしなくて済みます。
そして、もう一つの対策のほうが現実的です。
入社の連絡を、もっと早くもらう。
退職時と同じ話です。総務や上司に、こう伝えてください。
「パソコンの手配に2週間かかるので、決まった時点で教えてください」
技術ではなく、交渉で解決する問題です。そして、こちらのほうが確実です。
まとめ
- 入社準備は、退職対応より締め切りが厳しいです。日付が動きません
- 連絡2週間前 × 手配1〜2週間 = バッファほぼゼロ。構造的に危ういです
- 物理的なものから手をつける。 アカウント類は当日でも作れます
- 初日に伝えるのは、パスワードの扱い/やってはいけないこと/連絡先の3つ
- 一番効く対策は、連絡を早くもらう交渉です
実際に初日に間に合わなかった身として言えるのは、あれは準備不足ではなく、そもそもの時間が足りていなかったということです。
同じことが起きる前に、連絡のタイミングを見直してみてください。
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